腹痛・嘔吐・下痢|おひさまこどもクリニック|愛知県東海市の小児科・アレルギー科

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腹痛・嘔吐・下痢

腹痛・嘔吐・下痢|おひさまこどもクリニック|愛知県東海市の小児科・アレルギー科

胃腸炎

主な症状
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 発熱(ない場合もあります)
  • 腹痛、機嫌の悪さ
  • 食欲不振、ぐったりする
好発時期
  • 冬季に多い(特にロタウイルスやノロウイルスなど)
  • 夏季は細菌性胃腸炎(例えばカンピロバクターやサルモネラ)が増えることもあります
主な原因
  • ウイルス感染(ロタウイルス、ノロウイルスなど)
  • 細菌感染(カンピロバクター、サルモネラ、大腸菌など)
  • 食べ物や水からの感染、手洗い不足による接触感染など
対処法
  • 水分補給が最も大切です(脱水予防)
  • 嘔吐がおさまったら、こまめに少量ずつ水分を与えます(経口補水液など)
  • 食事は無理に取らせず、様子を見ながら消化のよいものから再開します
  • 嘔吐・下痢のときはおむつや吐物の処理に注意し、感染拡大を防ぎましょう
治療法
  • 多くの場合は自然に回復します(ウイルス性が多いため)
  • 嘔吐止めや整腸剤など、症状を和らげる薬を使用することもあります
  • 脱水が進んでいる場合は点滴治療が必要になることもあります
  • 細菌性の場合は抗菌薬が必要となることもあります

腸回転異常症

症状
  • 胎児期の腸の位置がうまく定まらず、腸がねじれやすくなる病気です
  • 腸がねじれると(=中腸軸捻転)、突然の強い嘔吐やお腹の張りが見られます
  • 嘔吐物は初めはミルクや胃液ですが、胆汁(黄緑色)が混ざることがあります
  • 顔色が悪く、ぐったりすることもあり、緊急対応が必要なことがあります
好発時期
  • 多くは生後1か月以内の新生児期に発症します
  • まれに乳児期や幼児期に発症することもあります
経過
  • 腸がねじれたままだと、腸への血流が途絶え、壊死を起こすことがあります
  • 進行が早いため、早期診断と治療が極めて重要です
  • 胆汁性嘔吐(黄緑色の吐物)は、消化管閉塞や腸回転異常のサインの可能性があるため、すぐに病院受診が必要です
治療
  • 腹部エコーや造影検査で診断されます
  • 腸がねじれている場合は、緊急手術(Ladd手術)が必要になります
  • 手術ではねじれを戻し、腸の位置を整えて再発を防ぎます
  • 腸の壊死がある場合は、その部分を切除することもあります

腸重積

症状
  • 腸の一部が別の腸に入り込み、腸がつまる病気です
  • 突然、激しく泣いたり、機嫌が悪くなる(数分~数十分ごとに繰り返す)
  • 顔色が悪くなる(蒼白)
  • 嘔吐する(初めはミルク、次第に緑色の液体)
  • いちごジャムのような血便が出ることがある
好発年齢
  • 生後6か月〜4歳くらいまでの乳幼児に多く見られます。
  • 男の子にやや多くみられます
経過
  • 初めは軽い症状でも、数時間以内に悪化することがあります
  • 放置すると、腸の血流が悪くなり、腸が壊死してしまう危険があります
  • 早期発見・早期治療が重要です
治療
  • 腸重積が疑われた場合は、すぐに専門の病院へ紹介します
  • 多くは、肛門から空気や造影剤を入れて腸を元に戻す「整復(せいふく)治療」で改善します
  • 整復がうまくいかない場合や、腸に穴があいている場合は手術が必要です
  • 治療後、再発することもあるため、注意が必要です

肥厚性幽門狭窄症

症状
  • 胃から腸への出口(幽門)が筋肉の肥厚により狭くなり、ミルクが腸へ通りにくくなる病気です
  • 生後しばらくしてから、噴水のような勢いのある嘔吐が毎回の授乳後に見られます
  • 吐いた後も機嫌がよく、また飲みたがるのが特徴です
  • 進行すると、体重が増えない/脱水になる/おしっこの量が減るなどの症状が出てきます
好発時期
  • 生後2〜8週ごろの男児に多く見られます
  • 特に生後3〜5週に発症することが多いです
  • 男児に多く、男女比は約4:1です
経過
  • 放置すると十分な栄養がとれず、体重増加不良や電解質異常、脱水を起こします
  • お腹(右上腹部)を触ると、しこり(肥厚した幽門筋)を触れることがあります
  • 嘔吐を繰り返すことで、血液中の塩分バランスが乱れることもあります
治療
  • 腹部エコー検査で診断します
  • 基本的な治療は手術(ラムステッド手術)で、幽門の肥厚した筋肉を切って広げます。完治が期待でき、術後の回復も良好です

◉ アトロピン療法について

  • 手術以外の選択肢として、アトロピン(副交感神経遮断薬)を使って幽門の筋肉をゆるめる治療もあります
  • ただし、治療に時間がかかる/効果に個人差があるため、全身状態が安定していて、軽症の場合に限り検討されます

虫垂炎(盲腸)

症状
  • 虫垂(盲腸の先にある小さな突起)が炎症を起こす病気で、「盲腸」とも呼ばれます
  • 初期はおへそまわりの痛みや食欲不振、吐き気、微熱などが見られます
  • 時間が経つと、痛みが右下腹部に移動し、歩いたり押されたりすると強く痛がります
  • 小さな子では痛みをうまく伝えられず、元気がない・じっとしている・お腹を触られるのを嫌がることもあります
好発時期
  • 虫垂炎は学童期〜思春期(5歳〜15歳)に多く見られます
  • まれに3歳以下の乳幼児にも起こりますが、症状がわかりづらく進行が早いため注意が必要です
経過
  • 放置すると虫垂が破れて腹膜炎を起こすことがあります
  • 炎症が進むと、発熱・嘔吐・ぐったりするなどの全身症状が出る場合があります
  • 小児では進行が早いため、早期受診・早期診断がとても重要です
治療
  • 診察・採血・超音波検査などで総合的に診断します
  • 基本的には手術(虫垂切除)が治療の中心です(腹腔鏡手術が一般的)
  • 炎症が軽い場合や、手術のタイミングが難しいときには、抗生物質での保存的治療が行われることもあります
  • 破裂した場合や腹膜炎を伴う場合には緊急手術が必要になります
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