生後6か月未満の赤ちゃんや、早産時、生まれつき、心臓や肺に病気があるお子さんは重症化しやすいです。
症状、経過
- 鼻水が2-3日続いた後、急にゼイゼイして呼吸が苦しそうになったり、哺乳ができなくなったりします
- 症状は5-7日でピークを迎えますが、咳が治まるまで2-3週間かかります
治療
- RSウイルス感染症には特効薬はなく、症状をやわらげる対症療法が中心となります
- 鼻吸引、加湿
- 水分補給や点滴
- 酸素投与
- 必要に応じて入院管理
RSウイルスの予防法:抗体製剤による重症化予防
日本では、RSウイルスの重症化を防ぐ目的で、2つの抗体製剤が使用されています。どちらも適応しっかりと決まっています。
ベイフォータス®(nirsevimab)
(2024年承認・流行1シーズン1回接種型の新しい抗体製剤)
流行時期に関しましては、都道府県ごとに毎年決められ、接種時期が決定致します。
保険適用となる対象者
1)早産児
- 在胎期間28週以下で出生し、生後12か月以下の乳児
- 在胎期間29週~35週で出生し、生後6か月以下の乳児
2)慢性肺疾患(BPD)を有する乳児
- 過去6か月以内に治療を受けた、生後24か月以下の乳児
なお、肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖症、先天代謝異常症、神経筋疾患を有する乳児については、ベイフォータス®の保険適用対象外となっております。
シナジス®(palivizumab)
(2002年承認・1か月に1回の投与を流行期に行う抗体製剤)
以前までは、流行期は冬でありましたが、最近では、春ごろから流行するようになり、毎年、愛知県内の流行状況を確認し、流行時期を決め、それに合わせてシナジスの投与時期が決まります。
保険適用となる対象者
1)早産児
- 在胎期間28週以下で出生し、生後12か月以下の乳児
- 在胎期間29週~35週で出生し、生後6か月以下の乳児
2)以下の重症化リスクを有する生後24か月以下の乳児、幼児(医師の判断による)
- 重度の免疫不全
- 慢性肺疾患の患児で、過去6か月以内に医療的加療を受けた方
- 血行動態に異常のある先天性心疾患を有する
- 神経筋疾患
- Down症候群(先天性心疾患の有無を問わず)
- 気道狭窄
- 肺低形成
- 先天性食道閉鎖
- 先天性代謝異常症
※適応の有無は診察・評価により個別に判断されます。