皮膚症状|おひさまこどもクリニック|愛知県東海市の小児科・アレルギー科

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皮膚症状

皮膚症状|おひさまこどもクリニック|愛知県東海市の小児科・アレルギー科

赤いぽつぽつ

乳児脂漏性皮膚炎(乳児湿疹)

赤ちゃんに見られる皮膚の炎症で、皮脂の多い部分に黄色っぽいかさぶたや赤みが出るのが特徴です。皮脂の分泌が盛んな時期に、皮膚の常在菌(マラセチアなど)が関与して起こると考えられています。

症状
  • 頭皮に黄色いかさぶた(厚めのフケのようなもの)がつく
  • 額(おでこ)、眉毛、耳のまわり、顔面、わきの下、首まわりなどにも赤みやうろこ状の皮むけが出ることも
  • 痒みはあまり強くなく、赤ちゃんは機嫌よく過ごしていることが多いです
経過
  • 生後2週〜3週頃から見られ、生後3〜4ヶ月ごろには自然に軽快することが多いです
  • 一部の赤ちゃんでは、湿疹が強く出たり、繰り返すこともあります
治療
  • 基本はスキンケア:やさしく洗って皮脂やかさぶたを落とすことが大切です
  • 頭皮はベビーオイルや白色ワセリンを使ってかさぶたをふやかしてから、ぬるま湯とベビー用シャンプーで洗います
  • 湿疹が強い場合は、短期間ステロイド外用薬を使用することがあります

乳児血管腫(イチゴ状血管腫)

乳児血管腫(にゅうじけっかんしゅ)は、皮膚にできる良性の血管のかたまりです。
見た目が赤く、盛り上がることがあり、「イチゴ状血管腫」とも呼ばれます。
生後すぐには目立たなくても、生後1か月ごろから急に赤くなってくることが多いです。

生後数週間〜1か月ごろから現れ、6か月ごろまでに急速に大きくなることが多いです。

原因

はっきりとした原因はわかっていませんが、皮膚や皮下の血管が一時的に過剰に増えることによって起こると考えられています。遺伝性ではありません。

経過
  • 生後6か月ごろまで急速に増大することがあります(増殖期)
  • その後、自然に縮小していくことが多く、5歳までに約半数、9歳までにほとんどが消えるといわれています(退縮期)
  • ただし、大きさや部位によっては瘢痕(あと)が残ったり、変形や潰瘍を起こすこともあります
治療

すべての乳児血管腫が治療を必要とするわけではありませんが、以下の場合は積極的な治療を検討します。

治療を考えるケース:

  • まぶた・鼻・口・おしりなど、機能や整容に関わる部位にある場合
  • 潰瘍や出血を繰り返す場合
  • 大きくなりすぎると予想される場合

治療法:

  • β遮断薬(プロプラノロール内服)
  • レーザー治療
  • 目立たない部位で症状が軽い場合は自然経過を見ます
ご家庭での注意点
  • 無理に触ったり、こすらないようにしましょう
  • 絆創膏を貼るのは逆に皮膚を傷めることがあるので注意が必要です

伝染性膿痂疹(とびひ)について

「とびひ」は正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれ、皮膚にできた小さな傷などから細菌が感染して広がる皮膚の病気です。
かきこわした部分から周囲の皮膚に「飛び火」するように広がるため、「とびひ」と呼ばれています。

  • 乳幼児から小学校低学年ごろまでの子どもに多く見られます
  • 特に3歳~6歳前後の年齢層でよく見られます
原因

主な原因は、皮膚に感染する細菌です。

  • 黄色ブドウ球菌
  • 溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)

虫刺され、あせも、湿疹、軽いすり傷などをひっかいたところから細菌が入って感染します。また、手やタオルを介して他の部位や他人にもうつることがあります。

経過

はじめは赤い発疹や水ぶくれができ、破れてじゅくじゅくした状態になります。その後、黄色いかさぶたができていきます。かゆみが強く、かくことでどんどん広がるのが特徴です。適切に治療すれば、1〜2週間ほどで治ることが多いです。

治療
  • 抗菌薬の塗り薬(外用薬)を使います
  • 広がりが強い場合や、発熱を伴う場合は、抗菌薬の飲み薬(内服薬)を併用することがあります
  • かゆみ止めや消毒も併用することがあります
ご家庭での注意点
  • 患部に触れないようにする(ガーゼや包帯で覆うなど)
  • 兄弟間や集団生活での感染に注意(タオルや衣類の共用は避ける)
  • 毎日シャワーで汗や汚れを流し、清潔に保つ

白いぽつぽつ

水いぼ(伝染性軟属腫)について

概念

水いぼは、「伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルスの一種)」によってできる小さなつやのあるイボです。主に1〜10歳くらいの小児にみられ、特にアトピー性皮膚炎などで皮膚バリアが弱いお子さんにできやすい傾向があります。皮膚同士の接触や、タオル・プールなどを介してうつることがあります。

経過

直径2〜5mmほどのつるんとした丸いイボが、体のあちこちにぽつぽつと多発していきます。かゆみや赤みはほとんどありませんが、掻いてしまうと周囲に広がることがあります。自然に治ることも多く、半年〜2年程度で免疫がついて消えることが多いとされています。

治療

水いぼは必ずしも治療が必要な病気ではありません。自然治癒を待つことも一つの選択です。ただし、以下の場合には治療を検討します。

  • 数が増え続けている
  • かゆみで掻いてしまい、広がっている
  • プールや集団生活で周囲への感染が心配
  • 本人や保護者が除去を希望する場合

主な治療法は次のとおりです。

  • ピンセットによる摘除(つまみ取り)
    ⇒麻酔のシールを使ってから取ることもありますが、痛みを伴います
  • 硝酸銀が含まれた外用薬
  • ヨクイニン(漢方薬)の内服
    ⇒効果には個人差がありますが、全身的な体質改善を期待します
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